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ミヤギ能 オセロー ~夢幻の愛~エピソード1

  • 執筆者の写真: Kayo Takahashi
    Kayo Takahashi
  • 2020年7月15日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月14日

2018年の1月、SPACによる「ミヤギ能 オセロー ~夢幻の愛~」NY公演にて、衣裳デザインを担当させていただきました。


シェークスピア作「オセロー」を能形式で演出したもので、平川祐弘先生(※「祐」の字は「示」に「右」)による謡曲台本での公演でした。


私はこの謡曲台本が意味もよくわからない部分もあるにもかかわらず、なぜかすごく好きで、頭の中がこの台詞回しのサウンドがループしてしまうような、聴覚ジャックに会っておりました。


この現象は、初めての体験で、こんなにパワーのある聴覚効果と衣裳が融合できないかと考えておりました。。

残像のように音が心の中で聞こえてくる。そこに浸っているのがクセになるような、美しい日本語の流れを感じました。


そこで、単純な発想なんですけれども、衣裳にセリフを書いてみようかなと思いました。

公演をみた次の日もまだ余韻が残っているように、視覚的にも印象の片隅に美しい平仮名のセリフを思い出してくれるように。


オセローの若き美しい妻、デズデモーナの衣裳には、シルクオーガンジーを幾重にも重ねた打掛をデザインしました。シルクオーガンジーは透過性がありますので、幾重にもセリフが書かれた生地が重なり合って、動くたびに文字が揺れ動き、重なり合い、とても儚い存在に見えました。この時もSPAC衣裳部の皆さんは、すごく私のイメージに寄り添ってくださって、何度も実験的に試しながら、微妙な色合いなど確認しながら進めさせていただきました。職人さんの技術で、私は本当に助けられていると思います。


ではでは今日はこの辺で


 
 
 

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