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Antigone episode5(最終回)

  • 執筆者の写真: Kayo Takahashi
    Kayo Takahashi
  • 2020年7月2日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月15日

アンティゴネという作品は、2017年に、フランスのアヴィニヨン演劇祭のオープニング作品として参加させていただきました。そして2019年にはニューヨークのパークアヴェニューアーモニーにて公演いたしました。


そのNY公演でも、大変ご好評いただきまして、アメリカの雑誌「TIMES」にて、毎年発表している2019の公演ベスト10に『アンティゴネ』を選んでいただきました。


この作品は、これまで私が観てきた作品とは違う、世界が新しい時代に入るときに始まる予感を感じると言いますか、静かで強いエネルギーを持った作品だと思っています。


観客の皆さんが、ラストの盆踊りを観て、何か言葉にできないような、でも確実に感じているもの、もう亡くなってしまった人に久しぶりに会えたような懐かしさのような、自分が生まれる前に感じていたような何か遠い記憶のようなものを、感じていた方もいたかも知れません。

そんな不思議な空気感が劇場中に漂う作品だと思います。観客の皆さんは、一緒に瞑想をしたような、みんなが無意識に呼吸を自然に合わせているような、感覚もあるような気がしました。この作品に関わるスタッフさん、役者さんと、一緒に仕事が出来たという経験は、私の人生の中でも、宝物中の宝物となりました。


今コロナ禍で、劇場が閉鎖している状態ですが、やはり劇場に戻りたい気持ちが、自分の思っていた以上に、強く強く押し寄せてきます。「芸術が必要でたまらない人はこの状況でもいるんだ」という話を、そうなんだーなんて、呑気に聞いていましたが、それは自分だったって、心の奥底で叫んでいる小さい自分を見つけました。


劇場で仕事したい、観客の皆さんに喜んでもらいたいって、初日を迎えるあのドキドキの時間を思い出したり、お客さんから嬉しい言葉をいただいたり、もちろんいいことばかりでなないけれども、とにかく劇場の中で作りたいという気持ちが、ふとしたときにブワーーっと押し寄せて来ます。その心の奥底からの気づきは、きっとこれからの自分の仕事にとって、必ず大きな影響をもたらすと思っています。






 
 
 

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